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緑内障の手術<線維柱帯切除術>ってどれくらい効果があるの?

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緑内障の手術<線維柱帯切除術>ってどれくらい効果があるの?

・繊維柱帯切除術とは?

線維柱帯切除術とは、眼圧上昇の原因となっている目詰まりしした線維柱帯を切除することで、房水を流れやすくして眼圧を下げる効果がある手術です。

・手術の時間は?

線維柱帯切除術の手術時間は、大体30~50分くらいです。
線維柱帯切除術の手術時間は、大体30~50分くらいです。

・合併症や術後の経過は?

<眼内炎>

他の眼内手術と同様に、手術中ないし術後に感染のリスクがあります。 眼内 と眼外を交通させる手術となるため、術後のどの時期にも感染のリスクがあ ります。 眼内への感染により眼内炎が発症した場合は失明の危険があるため、 眼内を洗浄する手術と抗菌薬の投与が必要になります。 術直後に感染を起こすことはほぼありませんが、晩期(術後時間が経った後)に感染を起こすことが1〜2%の方にあります。 <前房出血・駆逐性出血> 手術中ないし術後に出血のリスクがあります。多くは数日で吸収されます出血は自然に吸収されます。非常にまれですが、術中に多量の眼内出血を起こした場合は駆逐性出血と呼ばれ、失明の危険があります。 駆逐性出血の予防法はありませんが、力んだり血圧が上がったりすることがリスクになるとされていますので、手術中に血圧が非常に高い場合は、血圧を下げるために降圧薬を使用することがあります。 術後は適切な量の房水が眼外に導かれ、濾過胞がよく形成されるまでにある 程度の時間を要し、それまでは不安定な状態となります。 以下のような変化・合併症が起こることがあります。 <脈絡膜剥離> 術後に眼圧が下がりすぎて、脈絡膜剥離、 網膜刺離を起こすことがあり ます。 眼圧が下がりすぎる要因は様々ですが、 濾過胞を縫合した縫い目 からの漏れがある場合は縫合を追加します。 また眼圧が非常に低い間は、 点眼薬の回数を減らしたりするなど、 術後の処方薬を調整します。 <濾過胞形成不全> 術後に眼圧が高いままになることもあります。原因として房水が眼外に 導かれず、 濾過胞が十分に形成されていないことがあり、その場合は房 水の流出路を縫合している糸をレーザーで切ったり、眼球をマッサージ して、濾過胞の形成と眼圧下降をはかります。 <浅前房、前房消失> 前房圧が硝子体圧に負けることによって目がぺちゃんこになって目の前側の部分が、浅くなります。脈絡膜剥離が要因になります。 <濾過胞の再癒着> 術後の反応が強く、濾過胞が癒着してつぶれてしまうことがあります。 癒着した部分を外して、 濾過胞を再形成させる処置を行います。手術中に塗布するマイトマイシン(水の流れ道を潰さないようするための薬剤)の効果が大きいと、術後濾過胞の壁が非常に薄くなり、小さな穴が開いて房水が漏れ出てしまうことがあります。これは、術後数か月から、数年後にも起きることがあります。このような場合、濾過胞の壁に空いてしまった穴を羊膜という膜を使って裏打ちして再建する、濾過胞再建術を行います。 <白内障> 白内障手術をまだ行っていない眼に当該手術を行うと、術後に白内障が進むことがあります。 経過をみて、白内障の手術を追加で行います。

・眼圧が下がらなかったときは?(術後高眼圧のときは?)

水の流出路を縫合している糸をレーザーで切ったり(LSL)、眼球をマッサージなどを行い、それでも眼圧が下がらなければ、房水の流れ道の詰まったところ(癒着)を剥がして、房水が流れるようにする手術(濾過胞再建術)を行います。

・眼圧が下がりすぎたときは?(術後低眼圧のときは?)

術後に眼圧が下がりすぎることがあります。原因は、房水が結膜の下に流れすぎてしまうことなどが挙げられます。時に、脈絡膜剥離が起こます。脈絡膜剥離を生じる割合は、約40%と言われています。脈絡膜剥離が生じた場合でも、大半の場合は1か月以内に消失し、眼圧も正常化します。(文献:Sato, et al.Eye, 20192)Akagi, et al. JAMA Ophthalmol, 2016)
低眼圧が持続するとまれに、網膜(映像を写すフィルム)の中心にしわが生じる低眼圧黄斑症を生じます。術後に低眼圧黄斑症を生じる割合は、0.7%程度です。(文献:Persistent Hypotony and Annular Ciliochoroidal Detachment After Microhook Ab InternoTrabeculotomy)

上記を起こさないために、術前の眼圧から適切な眼圧を設定する
繊維柱帯を切除する時に、無理な力をかけないようにするなど心がけています。

・繊維柱帯切除後、眼圧が下がりすぎた(過剰濾過・房水漏出)時の治療

  • 低眼圧や前房が浅くなれば、圧迫眼帯ステロイド点眼増加、ダイアモックス内服、アトロピン点眼、前房内空気・粘弾性物質注入を考慮
  • 強膜弁縫合することで過剰濾過を防ぐ
  •  低眼圧が持続し、脈絡膜剥離が増悪する場合には 強膜開窓術+強膜弁再縫合

などを行います。

・繊維柱帯切除術は2回することはあるの?

術後再び眼圧が上昇して、切除する位置を変えて2回行う方もいます。

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